【対策必須】公務員試験の教養論文

2021年1月15日

公務員試験の教養論文試験って何?
論文ってどうやって対策すればいいの?

私も初めは、おなじようなことを思っていました。
多岐選択方式と共に公務員試験で出題される記述式の教養論文についてその概要と対策をお教えいたします。

公務員試験の教養論文って何?

公務員試験の筆記試験には、多岐選択方式のほかに記述方式の教養論文があります。
教養論文試験とは、与えられたテーマ(少子高齢化・災害問題等の行政課題や時事問題)に対し、自分の意見や提案を書く試験になります。
教養論文で出されるテーマは幅広く、様々なテーマから出題されます。
そのため、少しでも多くのテーマに触れ知識を深め、自分の意見や提案の引き出しを多く持っておくことが必要になります。

私が受験した際には「フードロスをなくすにはどうしたらいいか」といったお題が出ました。

この教養論文は、国家一般職・東京都・特別区をはじめとして、多くの自治体で採用されています。
一般的に教養論文試験には、足切りラインがあり、この一点の水準を超えないと多岐選択方式でいくら高得点をとっても不合格となってしまう可能性があります。
また、自治体によっては、教養論文の配転比率が高い自治体もあり、しっかり対策する必要があります。

でも、どうやって対策すればいいか分からない
論文ってセンスで決まるでしょ?
大丈夫です。
センスがなくてもしっかり対策をすれば、足切りラインは余裕で超えるようにはなります。
わたしも論文は得意ではありませんが、合格することができています。

教養論文試験は、「どれだけ準備し対策を講じたかの差」がそのまま点数の差につながってくる科目になります。
とはいえ、限られた時間内で与えられた課題・テーマに対して適切に論理的に論文を書くという作業は、ほとんどの受験生にとって大変ハードルの高いものになるかと思います。
そのため、論文だけは予備校に通うという方も少なくはありませんが、しっかり余裕をもって取り組めば、独学でも十分合格ラインを狙えます。

公務員試験の教養論文の対策のポイント

①教養論文の文字数について

教養論文試験については、自治体によって求められる字数が変わってきます。
・1500字(国家一般職)
・1000字以上1500字未満(特別区)
・1000字以上1500字未満(東京都)

ただ、以上の例のように多くても大体1500字までという自治体が多いので、1200~1300字程度でかけるように対策すればいいでしょう。

②教養論文のテーマについて

教養論文に出題されるテーマにつてですが、行政課題や時事問題系が多く、また自治体独自のものが出題されたりします。
ですが、ある程度頻出テーマは決まっており、大体20テーマ程です。
そう言ったテーマはすでに、かなり議論されていることが多く、回答は自ずと限られてきます。
つまり、新たな発想など必要がなく、出題者もそこには期待していません。
テーマに対する意見・主張を正確かつ的確に書くことができれば合格ラインに達することができます。

③教養論文の評価ポイントについて

教養論文試験の評価ポイントとして一般的に下記の点があります。

評価ポイント

・記述内容が正しいか・趣旨がずれていないか
・誤字脱字がないか
・論文としての体裁が整っているか
・文字数が適切か

1つ1つ説明します。

記述内容が正しいか・趣旨がずれていないか。

これは言葉の通りで、記述している知識や内容に間違いがないか過不足がないかになります。
例えば、「少子高齢化」がテーマで出題された際に、「高齢化」の部分しか記述してない場合、減点になります。

誤字脱字がないか。

基本的なことですが、誤字脱字には十分気をつけましょう。
あまりにも誤字脱字が多いと減点対象となることもあります。

論文としての体裁が整っているか。

作文とは違い主張の結論やそれを支える論拠が適切な文章構成でまとめられている必要があります。
論文の文章構成とは、序論(定義・背景・問題的・結論の明示)→本論(論拠の説明・具体的展開)→結論(結論の再明示・意見・見解・まとめ等)です。

文字数が適切か。

論文試験において、字数制限を守ることは絶対ルールです。
当たり前ですが、字数制限を超えての記述はダメです。
また、制限文字数になるべく近い文字数を書くことが良く、最低でも8割以上は記述するようにしましょう。

教養論文の勉強法

教養論文の学習の手順

学習ステップとしては、3ステップになります。

ステップ1:論文の書き方を覚える
ステップ2:テーマの収集
ステップ3:実際に書いてみる

ステップ1論文の書き方を覚える

論文を書く上での、最低限必要なルールを覚えましょう。
参考書を読めば、すぐ理解できます。

ステップ2テーマの収集

①頻出テーマの収集
公務員試験の教養論文で出題されるテーマは、限られています。
参考書をみて把握して、かけるようにしましょう。

②受験する自治体の傾向を把握。
過去問のチェックをし、傾向をつかみましょう。
また、自治体のホームページやパンフレットから政策やプロジェクトなどを確認することで、その自治体の政策に絡めた論文を記述できるので高評価を得やすいです。

ステップ3実際に書いてみる

教養論文は実際に書いて学習したほうが、覚えが速くなります。
頻出のテーマについてはすべて、複数回実際に書いてみるようにしましょう。
1日1テーマだとしても1カ月あれば1週できちゃいます。
実際に書く際は、本番を想定した時間で手書きで書くようにすることで、一緒にペース配分を覚えるようにしましょう。
また、必ず1・2度は模試や添削を受けるようにしましょう。

教養論文対策におすすめのテキスト

ステップ1論文の書き方でおすすめのテキスト


①「一週間で書ける!!公務員合格作文

非常にコンパクトにまとまっているので、初心者でも勉強しやすくなっております。
ただ、前提知識がないテーマについては、この本で対応できないという難点もあります。
しかし、ステップ2でご紹介するテキストと組み合わせて使うことで、そのデメリットは解消されるかと思います。

秘伝シリーズ「論文試験の秘伝」

問答形式で分かりやすく読みやすいです。
基本の20テーマ+今後出題されやすそうな時事性の高いテーマ 5個について出題対策のポイント、必要なキーワードがまとめられています。

③「寺本康之の小論文バイブル

ビジュアル的に読みやすく、頻出の26テーマについて合格答案例に沿って解説されている本となります。

ステップ1については、このうちのどれか1冊で十分かと思いますので、自分にあったテキストを選びましょう。

ステップ2頻出テーマの把握におすすめのテキスト

「論文試験 頻出テーマのまとめ方」

どのようなテーマが問題となるのかを学習するのに適した非常に良い本になります。
論文対策には必須の1冊です。

教養論文で知らないテーマが出てしまった場合

実際の試験で勉強していないテーマが出てくる場合も多々あります。
その時は焦ってしまうかもしれませんが、落ち着いて取り組みましょう。
その際意識してほしいことは、良い点をとるというよりも最低限の得点をとることを意識して見ましょう。

勉強していないテーマが出てきてしまった時の対応として、主に2つあります。

教養論文で勉強していないテーマが出てしまった場合のポイント

他のテーマから代用できるものはないか
テーマを背景から考える

他のテーマから代用できるものはないか
頻出テーマについては、他のテーマでも活かせる知識などがある場合があります。
例えば、「女性の活躍推進」についてが出題されて、勉強していなかった場合、
活かせる他のテーマとしては、育児支援・ワークライフバランスなどがあります。
そう言った知識を活かしつつ、論旨にそれ内容に記述していけば、最低でも合格点は取れます。
頻出テーマは以外にも密接している部分がありますので、慌てないようにしましょう。

テーマを背景から考える
テーマとなっているものの課題から回答を考える方法です。

私の経験で、「フードロスをなくすにはどうしたらいいか」といった出題があり、まったく勉強していないテーマでした。
もちろん、その自治体の政策をきちんと把握していれば、「フードバンク」や「無料食堂」に利用するといった答えは明確でした。

勉強していないテーマについてその際どう考えたかのプロセスをご紹介します。

①フードロスはどういった場面で起こり得るのか考える。
一般家庭の話なのかレストランなどの店舗の話なのか。
ここで私は、一般家庭に焦点を当てました。

②フードロスが起きる原因を考える。
おそらく、買いすぎが原因と仮定しました

③その買いすぎを防ぐ策を考える。
買い物に行った際についつい買いすぎちゃう・冷蔵庫の中身を把握していない。
→買い物先でも冷蔵庫の中身を見える化するものを民間と共同で開発すればいいのではないか。

こんな感じでいったん整理しました。
整理したものに行政の要素を加え、論文の体裁を整えながら記述しました。

こんな内容でも、足切りをされず、試験を突破できています。
本来であれば、頻出テーマや受ける自治体の政策は必ず把握しておくべきですが、
いざとなったらこんな方法でも最低限の点は取れますよといった事例としてご紹介いたしました。

まとめ

この記事では教養論文ついてご紹介してきました。

教養論文の対策を怠り、失敗する受験生が、毎年います。
ただ、対策するのは意外と簡単ですので、ここで足切りをくらうのは非常にもったいないです。

しっかり対策して本番に臨みましょう!