公務員の副業は禁止⁉公務員でもできる副業は○○
・公務員の副業は禁止されているの?
・少しでも収入を増やしたいから公務員でもできる副業を知りたい!
今回は、そんな疑問を解消する記事を書いていきます。
「少しでも月々の収入を増やしたい!」
そんな気持ちでこの記事を開いてくれたかと思います。
結論から言いますと、公務員の副業は法律で禁止・制限されており、許可なしではすることができません。
しかし、中には許可を得なくてもできる副業もあります。
この記事では公務員在職中に副業を行なっていた私が、公務員の副業規則や公務員でもできる副業についてご紹介していきます。
この記事を読めば次の事が分かります。
・なぜ公務員の副業は禁止されているのか
・公務員でもできる副業
目次
公務員の副業は法律で規定されている
公務員の副業禁止は、しっかり法律に規定されています。
国家公務員と地方公務員ともにそれぞれ別々の法律があり、それが「国家公務員法」と「地方公務員法」になります。
国家公務員法による副業規定
国家公務員の副業に関しては、国家公務員法の第103条及び第104条に規定されています。
第103条
職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。
国家公務員法 https://www.town.shibata.miyagi.jp/reiki_int/reiki_honbun/0500100004170331h.html
第104条
職員が報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、その他いかなる事業に従事し、若しくは事務を行うにも、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する。
国家公務員法 https://www.town.shibata.miyagi.jp/reiki_int/reiki_honbun/0500100004170331h.html
以上を簡単に要約すると、
・営利を目的とする企業の役員になっちゃいけませんよ。
・もちろん自分で営利を目的としてやるのもダメ。
・ただ、許可があれば可能となる場合があるよ。
といった感じになります。
地方公務員法による副業規定
地方公務員の副業に関しては、地方公務員法の第38条に規定されています。
第38条
1職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。
2人事委員会は、人事委員会規則により前項の場合における任命権者の許可の基準を定めることができる。
地方公務員法
以上を簡単に要約すると、
・許可がなければ営利を目的とする企業の役員になっちゃいけませんよ。
・もちろん自分で営利を目的としてやるのもダメ。
といった感じになります。
副業規定のまとめ
・国家公務員地方公務員ともに、営利を目的とする企業に従事してはいけない。
・また、自ら営利企業を営むのもダメ。
・許可がある場合は副業しても大丈夫な場合もあるよ。
そもそもなぜ、副業禁止なのか(公務員の3つの原則)
上記のように公務員の副業は制限されていますが、これは次の3つの原則によります。
- 信用失墜行為の禁止(国公法第99条)
⇒公務員のイメージを壊す・信用を無くすことはしてはいけませんよ。 - 守秘義務(国公法第100条)
⇒公務員で知りえた個人情報や機密情報等を外部に漏らしちゃだめですよ。 - 職務専念の義務(国公法第101条)
⇒公務員の仕事に集中してくださいよ。
もちろん上記の3つの原則もしっかり法律で規定されています。
副業は、これらの原則を犯す可能性があるため制限されることになります。
副業がばれたらどうなる?
許可を得ずに副業をしそれが発覚した場合、次のどれかの処分が下されることになります。
・免職
⇒公務員の職を失わせる処分。
・停職
⇒一定期間の職務禁止。
・減給
⇒一定期間の給料が減る。
・戒告
⇒口頭注意などの軽めの処分。記録は残るため人事に影響。
・訓告
⇒口頭注意のみ。記録は残らない。
・厳重注意
⇒最も軽い処分で軽く注意を受けるのみ。
副業がばれた場合、最悪免職される可能性があります。
副業がばれた事例
過去に許可を得ず副業を行い、処分をされた事例をご紹介します。
①教員が同人誌の販売⇒戒告
②市役所の職員が民間の病院に勤務⇒訓告
③消防職員が他事業経営⇒懲戒免職
④職員が新聞配達のアルバイト⇒減給
⑤消防士がピザの宅配⇒停職
公務員でもできる副業は?
法律によっている制限されている副業ですが、公務員でもできる副業はどんなものがあるのでしょうか?
公務員の副業では、「許可なしでできるもの」「許可が必要なもの」「グレーゾーンなもの」があります。
許可なしでできる副業
- 株式投資、FX、暗号資産(仮想通貨)などの投資
- 家業の手伝い
- 不動産経営(※小規模の場合は許可不要)
- 太陽光発電(※10kW未満)
- 農業(※大規模農業の場合は兼業不可)
上記の副業は、許可なしで行うことはできます。
しかし、上記で上げた株式・FX投資以外の副業は条件があります。
この条件が結構曖昧であり、とくに農業の場合は条件次第では許可が必要になります。
そのため、安全に副業をするのであれば、株式・FX投資おすすめになります。
許可が必要な副業
・講演、講師
・執筆活動
これらの2つは、正当な理由があれば許可が出やすく公務員でもできる副業になります。
グレーゾーンな副業
- クラウドソーシング
- アフィリエイト
- 転売ビジネス
上記の副業はグレーゾーンのものになります。
一応営利を目的とした事業であるため、公務員法に反するといえます。
一方で、匿名でやることが多いためばれにくいともいわれています。
現時点で処罰を受けた事例があまりないため、グレーゾーンといえます。
関連記事:公務員の副業はバレる?その理由とばれない方法を元税務担当が解説します
まとめ
今回は、公務員の副業についてご紹介しました。
公務員の副業については、法律でしっかりと制限されています。
許可を得ずに副業を行った場合、処罰をされる可能性もあります。
ただ全部が禁止されているわけではなく、許可を得ずにできる副業もあります。
月々の収入を増やしたい方は、これらを理解したうえで副業をするようにしましょう。