公務員は安泰なのか?【倒産・リストラ・給与の面から検証】

2021年7月25日

・公務員を目指しているけど、公務員は安泰って本当?
・現職公務員だけど、将来が不安だ。

キャリア選択の中で、長く働けることは重要になってきますよね。

その中で、世間でよく言われている「公務員は安泰だ」が本当か気になるところだと思います。

今回はそんな疑問に答えていきます。

先に結論を言ってしまうと、今は安泰だが将来的にどうなるかは分からないです。

その理由を、元公務員の経験を基に検証していきます。

・公務員は安泰なのか?
・3つの側面から検証

現役公務員や公務員志望者はぜひ本記事をご覧ください。

公務員は安泰なのか?

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公務員は今後も安泰なのか気になる人は多いと思います。

結論としましたては、現状のままだと今後も安泰であると思います。

とはいえ、将来の外部的な要因によっては安泰とは言えなくなるかもしれません。

公務員が安泰しているといわれる理由

そもそも公務員が安泰といわれている理由としては主に次の理由があります。

・倒産することはない
・リストラがない
・給与が安定している
・退職金もすごい貰える。
・定時帰り
・カレンダー通りの勤務時間

特に、リストラや倒産がないことや給料が安定していることが「安泰している」に強く影響を与えています。

つまり、倒産・リストラの雇用面、給与・退職金の給与面が公務員の安泰に関連しているのです。

「公務員の安泰」について3つの側面から検証

検証

では、本当に公務員は将来も安泰といえるのでしょうか?

倒産のリスク
リストラのリスク
給与のリスク

の3つの側面に着目して検証していきます。

公務員は安泰?①「倒産のリスク」の面からの検証

公務員の安泰を示す1つの指標として、「倒産のリスク」があります。

私は、「公務員はつぶれる心配ないからいいよね~」とよく周りに言われることが多かったです。

本当にそうなのでしょうか?

1:今すぐにつぶれるということはない

短期的な視点から言いますと、今すぐにつぶれる自治体は限りなくゼロに近いです。

というのも、自治地帯が消滅する理由として大きいのが、人口減に伴う財政難であるからです。

現在、ほとんどの自治体では、年間の歳出(支出)より歳入(収入)が多く、やりくりは出来ています。

また、財政力の低い自治体には、国からの交付税の交付もあります。

そのため、今すぐにつぶれる自治体があるかといわれると限りなく少ないと思います。

2:長期的には人口減少と共に消滅する自治体が増える

とはいえ、人口減少がこのままのペースで進むと消滅する自治体は増えます

また、人口減少と並んで、都市部への人材の流出も自治体の消滅する要因にはなります。

ある研究によると、人口の減少により2040年には約半数の896の自治体が消滅すると考えられています。

地方にある自治体ほどその可能性は高く、青森市・秋田市などの県庁所在地ですら、消える可能性があるといわれています。

自治体数が半減するということは、複数の自治体が合併して1つの自治体になることを意味します。

合併するとどういうことが起こるかといういうと、給料のカットや人員整理のため人員がカットされることも容易に想像できます。

倒産のリスクまとめ

・短期的には心配ない。
・長期的に見ると、消滅する自治体は多くなると予測される。

倒産のリスクとしては、現状は問題なく、将来的には怪しくなる自治体が多くなるイメージになります。

ただ、これは民間でも同じことで財政難で倒産する企業は同様に多くなると思われます。

公務員と民間を比較した場合、公務員の方が倒産リスクは少ないと思います。

つまり、倒産面からみると公務員は安泰といえます。

公務員は安泰?②リストラのリスク

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次に、リストラのリスクの側面を解説しています。

1:現状、リストラのリスクはほとんどない

公務員は、民間に比べ雇用を保障されています

というのも、公務員の身分は、法によって守られているからです。

犯罪などを起こさない限り、クビにされることはありません
それは、コロナなどによる景気の落ち込みの場合も同様です。

自治体では、人員整理をしたい場合クビを切るよりは、新規採用を抑制するなどをして人員を削減します。

そのため、リストラされるということはほとんどありません

2:長期的には、リストラされる可能性はある

とはいえ、長期的にはリストラされる可能性はあります。

というのも、先述しました通りおおよそ半分の自治体は消滅するとは言われています。
また、AIの台頭により簡単なルーティンワークはAIに置き換わることも予測されます。

そうなると、仕事に対する人員は過剰なものになります。

また、税収の減少により行政の運営が難しくなることから、今と同程度の職員を維持するのは難しくなります。

とはいえ、上記でも述べました通り、人員の削減は新規採用の抑制から始まりますので、すぐにリストラとはならないでしょう。

しかし、いつかは限界が来ます。
その時には、リストラに踏み出す自治体も出てくることは容易に想像できます。

要するに、公務員のリストラがすぐに始まることはないでしょう。
ただ、自治体のキャパが限界を迎えるとリストラをされる可能性が出てきます。

リストラのリスクのまとめ

・現状は、リストラの心配はない。
・将来的には、「人口減少」「AIの台頭」により、リストラに踏み出す自治体が出てくる可能性がある。

しばらくは、リストラのリスクはほとんどないといえます。

また、民間のようにすぐにはリストラには踏み出すことはないと予測されます。

そのため、リストラ面からみた公務員はまだ安泰といえます

関連記事:公務員にも将来リストラはない?可能性はあるが簡単には起こらない

公務員は安泰?給与面のリスク

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3つ目の要素の「給与面」についてみていきたいと思います。

1:給与は安定しているが、下がることもある

公務員の給与は、毎月決まった額を必ずもらえます。

通常、1年勤務するごとに給与は上がっていきます。

しかし、長期的にみて将来給与が下がる可能性があります。

給与が下がる要因

・人口減少による税収減少
→公務員の給与の財源は、税金なので税収が減れば、給与額にも影響が出る。
・災害による給料カット
→大災害が起きた際、その復興の資金に充てるために職員の給与がカットされることがあります。
実際に私も、東日本大震災があった時は、給与カットされています。

また、公務員の給料は民間企業を基準にしているため、民間が下がった後に公務員の給料が下がることになります。

そのため、給料については民間より公務員に優位性があるのではないでしょうか。

2:賞与は基本的にしっかりもらえる

公務員は、賞与に関してはたとえ不景気であろうと大幅にカットされることはありません

民間企業を基準にしていますので、多少変動はあるもののある程度まとまったお金をもらうことができます。

事実、コロナ禍において民間企業ではボーナスの大幅カットが行われる中、公務員では0.1カ月分程度減っただけで、しっかり貰えています。

3:退職金は年々減少している

公務員の退職金は、年々減少傾向にあります。

というのも、退職金は退職時の給与月額を基準に計算されます。
近年、定年退職間近の給料が抑制される動きが進んでいます。
そのため、退職金にも影響があり、減少傾向にあるのです。

実際に、約10年ほど前まで退職金は2500万貰えていましたが、近年は2000万前後と500万円近く減っています。

給与面のリスクのまとめ

・給与は安定していて、基本的には毎年上がる。しかし、下がることもある。
・ボーナスはしっかりもらえる
・退職金は、年々減少傾向

給与は比較的しっかりもらえて、安定しています。

この傾向はしばらくは続くと推測されるので、給与面からみた公務員はまだ安泰といえます。

まとめ(公務員はしばらくは安泰)

今回、「リストラのリスク」「倒産のリスク」「給与面のリスク」の3つの側面から公務員の安泰を検証しました。

どの面からみても、まだ公務員は安泰といえます

しかし、「人口の減少」「AIの台頭」により、「自治体の消滅」「税収の減少」は容易に予想され、長期的にみると安泰とはいえなくなってくるかもしれません

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