公務員を若手で辞める人多い?その理由と転職の手順を元公務員が解説

公務員を辞めたいなー。
公務員を若手のうちに辞めるのは異常なのかな?

今回はそんなあなたに向けて書いていきます。

安定しており人気の職業である公務員ですが、近年では公務員を辞めたいと感じる若手職員が増えてきています。

この記事を読んでくださっている皆様も少なからずそう感じているのではないでしょうか?

中でも、若手のうちに公務員を辞めても大丈夫なのか、他の若手はどんなことに辞めたいと感じているのか気になる人も少なくないと思います。

そこで今回は

・公務員を辞める若手は増えている
・公務員を若手で辞めたいと感じる理由
・公務員を若手で辞めても問題ない
・公務員からの転職の手順

についてご紹介します。

公務員を辞める若手は増えている

一度公務員になると定年まで勤めるのが公務員の世界では当たり前のようになっていますよね。

事実、公務員の離職率はとても低く約1~2%くらいになります。

とはいえ、近年公務員の離職率も徐々に増えてきており中でも若手の占める割合は高くなっています。

平成28年平成30年
普通退職者数31,338人35,252人
うち20代の退職者11,335人11,758人
20代の退職者が占める割合36%33%

上の表は、地方公務員の普通退職(定年退職以外)の人数になりますが、ご覧のとおり20代の若手が占める割合はとても高いです。

約3人に1人が20代の若手であり、単純な人数だけ見れば増加傾向にあることが分かります。

30代も若手とみなすのであればその割合もっと高くなります。

また、国家公務員につきましても、2020年11月のニュースに以下のようなものがあります。

自己都合を理由とした20代の国家公務員総合職の退職者数が2019年度に87人に上ったとの調査結果を、内閣人事局がまとめたことが19日分かった。6年前の21人から4倍超の増加となる。河野太郎国家公務員制度担当相が18日付の自身のブログで公表し「危機に直面する霞が関」と問題提起した。

調査結果によると、30歳未満の国家公務員の中で「辞める準備をしている」「1年以内に辞めたい」「3年程度のうちに辞めたい」とした人が男性で約15%、女性で約10%となった。

引用:日経新聞「20代官僚の退職、6年で4倍超 河野氏「危機に直面」

このニュースからも、「エリート」の象徴であった国家総合職においても若手がどんどん辞める傾向にあることが分かります。

つまり若手公務員が辞めたくなるのは、異常なことではなくごく普通なことです。

公務員を若手で辞めたいと感じる2つの理由

公務員を若手で辞める人を大きく分けると以下の2つの理由になります。

・入社前と入社後のギャップ
・モチベーションが保てない

1つずつ解説していきますね。

ちなみに私が公務員を辞めることを決意した理由は以下の記事でご紹介しています。

入社前と入社後のギャップ

公務員の若手が辞める1つ目の理由が「入社前と入社後のギャップ」です。

入社前に思っていた公務員像と入社後の実際の仕事にギャップを感じる場合、辞めたいと感じ利用になります。

特に公務員は、世間で言われているイメージが良いこともありこのギャップに苦しむ若手公務員は多いです。

具体的には、

・住民の役に立つために仕事をしたい
→やっているのは庁内調整と資料作りばかり。必要性も不明だし、成果が全く分からない。


・政策立案など影響力のある仕事をしたい
→実際は、上司から指示された資料作成ばっかりで自分の意見は通らない。影響力なにそれ?


・定時で帰れる
→残業ばっかりの部署で、サビ残も多いしプライベートなんてあったもんじゃない。

などです。

人によっては、ギャップを感じる場面はいろいろあると思いますが、このギャップのずれが大きいほど辞めたいと感じるようになります。

しかも公務員の仕事は、外からは実態が見えづらくイメージすることが難しいため、どうしてもギャップが生まれやすくなります。

というのも、入社前の説明会やインターンでは、少数の良い部分しか切り取っていないことが多く、大部分である実際の業務のイメージがつかむことができないからです。

そのため、こういったギャップのずれによるミスマッチで若手のうちに公務員を辞めたくなるのも不思議な話ではありません。

モチベーションが保てない

公務員の若手が辞めたくなる理由の2つ目は「モチベーションが保てない」ことです。

公務員の仕事は、モチベーションを保つのが難しい仕事でもあります。

具体的には次の場面でモチベーションが下がることが多いです。

・住民に役に立ちたい
→実際は上司や議員のため


・やりたい仕事がある
→希望が通らず、一向にやりたい仕事ができない


・プライベートを充実させたい
→残業が多い


実績の分だけ給料が欲しい
→仕事をしてもしなくても給料は変わらない


・人間関係が悪い
→パワハラやセクハラ、意見が言えない、教育が不十分等。

・適性や経験を無視した人事異動

これらは、公務員を辞めた私や友人がモチベーションを保てなかった部分であり、これを理由に辞めることを決意しています。

ですので、結構同じように感じている人はいるのではないでしょうか

自分の芯がしっかりしている人ほど、このモチベーションの部分で辞めたくなるのはごく普通のことです。

公務員を若手で辞めても問題ない

公務員を辞めるのは勇気のいることです。

とはいえ、公務員だから辞めてはいけないという決まりはありません。

特に近年は昔に比べ転職が活発となってきており、それは公務員においても例外ではありません。

公務員でも若手のうちに辞めて民間で活躍されている方も多くいます。

ですので、公務員を辞めるという選択肢は決して悪いことではありません。

関連記事:公務員を辞めてはいけないは真実?辞めるなら慎重かつスピーディーに

とはいえ、公務員にも良い面はあるので本当に辞めてもいいのか慎重に判断する必要はあります。

その際の判断の参考として以下の記事も合わせてご覧ください。

公務員からの転職の手順

公務員からの転職の成功の秘訣は以下の通りです。

step1:転職理由を明確にする
step2:キャリア設計&自己分析
step3:スキルを身につける(飛ばしてもOK)
step4:転職エージェントに登録

step1:転職理由を明確にする

一番最初にやるべきことは、「転職理由をはっきりさせる」ことです。

というのも、この転職理由を明確にすることで「本当に公務員を辞めるべきか」の整理ができます。

また、どういった理由で転職したいのかが決まれば、それを解消できる転職先候補も自然とわかってきます

そうすれば、その転職先で必要なスキルもわかります。

さらに言えばこの転職理由は、実際の選考においても非常に重要な役割を持っているのでこの段階ではっきりさせておくことが大切になります。

詳しい手順は上記の記事でもご紹介していますが、次の通りに整理すればとりあえずは十分です。

①なぜ辞めたいのか?なぜ転職したいのか?(転職・退職理由)
②何をしたいのか?(転職理由)
③どんな働き方をしたいのか?(キャリア設計)
④将来どうなりたいのか?(キャリア設計)

⑤上記を解消できる業界・企業はどこか?(業界分析)
⑥その業界・企業で求められているスキル・経験は何か?(業界分析)

step2:自己分析

転職理由が明確になったら次は「自己分析」になります。

自己分析では、「自分の強み・弱み」「どういった経験があるのか」「スキルは十分にあるか」など自分のこれまでの経験を棚卸します。

step3:スキルを身につける

次に重要なのは行きたい業界に必要なスキルを身につけることです。

例えばIT業界であれば、プログラミングやWEBデザイン、WEBマーケティングといった感じです。

スキルのない状態で転職しようとすると、ほとんどの人が失敗します。

企業の中途採用には1つの枠に対して多くの人が応募してきます。

もちろんこの応募者の中には、民間経験者が多数います。

すると、これといったスキルのない公務員は民間経験者には簡単に負けてしまうのです。

そのため、スキルを身につけてから転職活動を始めることで転職難易度は段違いに変わってきますし、成功させやすくなります

具体的にどんなスキルを身につけるといい?

では、具体的にどんなスキルを身につければいいのか。

さきほども説明しました通り自分が行きたいと思う業界や職種に必要なスキルです。

例えば、以下の感じです。

・外資系企業→TOEIC
・エンジニア→プログラミング
・WEBデザイナー→WEBデザイン
・WEBマーケター→WEBマーケティング

とにかく公務員をやめたいけど、何のスキルを身につければ良いかわからない

そんな方には、これから伸びるIT系のスキルを身につけることがおすすめです。

具体的には「プログラミング」「WEBデザイナー」「WEBマーケティング」です。

先述しましたが、この3つは需要の高いスキルです。

関連記事:公務員から転職するならIT業界がおすすめ!3つの理由と転職成功の秘訣を紹介します。

また、これらのスキルはスクールに通うことで、スキル習得だけでなく転職支援がついていたりと手厚いサポートがうけられます。

なかには、転職成功率98%のスクールもありますよ。

もしプログラミングスクール等に興味がある方は、以下記事をぜひ覗いてみてください。

step4:転職エージェントに登録

最後のステップが「転職エージェント」を利用することです。

正直、転職市場で不利な立場にある公務員が1人で転職活動をするのには限界がありますし、非常にきついです。

そのため、転職のプロに頼るのが1番です。

無料で利用できるので登録して損はないです

そもそも、転職エージェントを利用するメリットして次の4つがあります。

・求人の選定
・志望動機などのブラッシュアップ
・情報収集

・公務員の支援の実績が豊富

①求人の選定

自分1人で進める場合、数多くある求人の中から自分に合った求人を探すのは非常に大変です。

また、ブラック企業を見抜くのは難しいですよね。

せっかく下準備をしたのにブラック企業に転職になってしまったら元も子もないです。

この点、転職エージェントでは、希望やスキル・経験から自分に合った求人を紹介してくれます。

また、転職エージェントが保有する求人はブラック企業であることが非常に少ないです。

というのも、求職者をブラック企業に転職させてしまい、それが口コミで広がってしまうとビジネスが成り立たなくなるためです、

ですので、転職エージェントでは極力ブラック企業を排除するようにしているのです。

そのため、転職エージェントを利用することでスムーズかつ良い企業への転職がしやすくなります。

②志望動機などのブラッシュアップ

転職エージェントでは、自己PRや志望動機などを少しでも魅力的に企業の採用担当者に伝わるように一緒にブラッシュアップしてくれます

そのため、実際の面接においても面接官から好印象を持たれるようになります。

また、企業ごとに書類をどんな内容にすればいいのかアドバイスをくれるので、書類審査の面においても通りやすい書類を簡単に作成できるようになります。

情報収集

転職エージェントは、情報収集の面においても非常に役立ちます

というのも転職エージェントでは、採用担当者のみならず現場やトップともパイプを持っていることが多いためです。

そのため、求人票だけでは分からないリアルな社内の様子や空気について聞くことができるので、企業選びや面接対策に役立ちます。

また、面接が決まると「企業の採用担当者がどういった点を重要視しているか」や、過去の傾向から「どういった質問が多いか」などを教えてくれます。

そのため、自分1人でや転職活動をするより遥かに効率良く、要点を押さえて面接に臨むことができます

④公務員の支援の実績が豊富

転職エージェントでは、今まで数多くの公務員の転職を支援しています。

そのため、公務員からの転職を成功させるノウハウや経験が蓄積されています。

これらは結構貴重で、自分一人で進めていては決して手に入らない情報です。

事実、私の周りで公務員から転職をした人のほとんどは転職エージェントを利用していました。

まあ、転職エージェントを利用している人ほど次の仕事が決まるのが早かったです。

無料で利用できるので、話をだけ聞くだけでも価値はあります。

おすすめの転職エージェントを知りたい!

おすすめの転職エージェントについては以下の記事でご紹介しています。

まとめ

今回は、公務員を若手で辞める人に多い理由についてご紹介しました。

おさらいすると以下の通りです。

・入社前と入社後のギャップ
・モチベーションが保てない

近年では若手のうちから公務員を辞める人も増えてきており何ら不思議なことではありません。

この記事が皆さんの参考になればうれしいです。

今回は以上です。