公務員のサービス残業はあるの?←改善傾向にはあるが運次第

公務員ってホワイトって聞くけど残業代もちゃんと出るの?
サービス残業の有無を知りたい。

今回はそんな疑問にお答えします。

公務員は安定でホワイトなイメージで人気の職業ですが、実態はどうなのか気になる人もいるかと思います。

そこで、今回は「サービス残業」についてご紹介していきたいと思います。

私自身地方公務員として働いていましたし、知り合いや家族には国家公務員として働いている人もいるためその実情は誰よりも熟知しているつもりです。

これを読めば、公務員のサービス残業の実態について分かりますよ。

公務員のサービス残業はあるの?

残念ながら公務員には、サービス残業は存在します。

これは、公表されている平均残業時間と実際の残業時間がかけ離れていることからも明確です。

地方公務員と国家公務員それぞれの平均残業時間を公表資料から読み解くと次のようになります。

・地方公務員→13.2h/月
・国家公務員(本府省)→29h/月
・国家公務員(その他)→15.8h/月

上記の残業時間で考えると1日当たり1時間以内の残業しかしていないことになります。

しかし、この数字は実態とはかなりかけ離れていると思います。

というのも、私自身公務員時代は月平均40~50時間程度残業していましたし、周りの人も同様でした。

国家公務員として本省で勤務していた人は毎日タクシー帰りなんてことも珍しくありませんでした。

イメージとしては実際の残業時間は次の通りです。

・地方公務員(本省)→40~60h/月
・地方公務員(その他)→10h/月
・国家公務員(本省)→70~100h/月
・国家公務員(その他)→~10h/月

以上から、先に紹介した残業時間は「残業が記録されて実際に残業代が支払われた金額」だと考えるのが適切です。

そのため、実際の残業時間からも推測できるようにサービス残業は存在するのです。

サービス残業があるかは運次第

とはいえ、サービス残業があるかは運次第です。

というのも、配属される部署やそこに所属する人によって変わってくるからです。

その理由は後述しますが、これによってサービス残業の有無は変わってきます

ちなみに私は、4年間の公務員人生で1度もサービス残業をしたことはありません。

・1年目(出先)→年130時間
・2年目(出先)→年200時間
・3年目(本庁)→年700時間
・4年目(本庁)→年360時間

多い時には月120時間残業をしたことがありますが、しっかり時間分残業代はもらえています

一方で、同じくらい残業をしていた別部署の同期は、サービス残業があったりしています。

そのため、サービス残業があるかは本当に運次第なのです。

サービス残業が発生する3つの要因

悩む

公務員のサービス残業が発生する要因は次の3つになります。

・予算で上限が決められている
・サービス残業がしやすい環境
・暗黙のルール

それぞれ説明しますね。

予算で上限が決められている

公務員の残業代は部署ごとに配布されている予算内でしか支給されません

そのため予算を超過した分の残業については、サービス残業になってしまいます。

この予算は前年度の実績に基づいて配布されます。

そのため、元から忙しい部署では豊富に予算が配布されます。

とはいっても、忙しい部署であれ毎年サービス残業があるような部署の場合、予算はそこまで配布されることはありません

なんせ実績がありませんからね。

そのため、1度サービス残業が常態化してしまうとなかなか解消されづらい仕組みになっているのです。

また、自治体ごとの予算によっても左右されます。

財政的に厳しい自治体は、残業代の支給を渋ることが多いです。

というのも残業代を全部支給していたら、予算が足りなくなり市民サービスの質が低下してしまうためです。

②サービス残業がしやすい環境

公務員はサービス残業がしやすい環境にあります。

公務員が残業申請をする場合、次の流れになります。

①事前に残業申請
②勤務終わりに打刻
③実績を記入
④上司の承認

この3つのプロセスを得て、残業代が支給されます。

この中で問題なのが②勤務終わりに打刻③実績を記入の部分です。

というのも、多くの自治体では勤務時間を記録する仕組みがまだまだ整備されていないから

「パソコンのON/OFF」や「セキュリティゲート」などで勤務時間を管理することが一般的ですが、公務員の場合タイムカードでの打刻が多いです。

そのため、定時になったらタイムカードで打刻だけしてそのまま仕事に戻るということも容易に出来てしまいます。

勤務時間を記録するする仕組みがない以上残業時間の実績は自己判断で記入することになります。

つまり、残業自体を申請しなかったり過少に申請したりが容易にできてしまうので、サービス残業がしやすい仕組みなのです。

暗黙のルール

サービス残業が発生する要因として職場内の「暗黙のルール」もあります。

私自身は無視をしていましたが、どこの部署に配属されても暗黙のルールがありました。

具体的には次の感じです。

・1時間程度の残業だったら申請しない
・○○時間を超えると産業医との面談が必要になるので、あえて少なく申請する

特に年次の高い人はこういう傾向にありました。

上の人がこういうことをしてしまうと若手は同調するしかないですよね。

サービス残業は改善傾向にはある

これまで紹介した通り公務員にはサービス残業は存在します。

しかし、そういった状況は今後どんどん改善していくと思います。

国家公務員制度を担当する河野太郎規制改革相が1月に中央官庁の残業代の適切な支給を閣僚に要請して最初の国家公務員給与が支払われた。霞が関の各府省は長時間労働の常態化が問題になっている。残業代にあたる超過勤務手当が実態に即して支払われていないとの指摘がある。

河野氏は16日、自身のツイッターに「本日、霞が関の残業時間を厳密に反映した給与が支給されることになっている」と投稿した。「もしそうなっていない場合は内閣人事局に通報を」と呼びかけた。

ツイッターで国家公務員とみられる人による手当が増えたとの報告もあった。

加藤勝信官房長官は18日の記者会見で「徹底した業務の見直しと効率化、勤務時間管理のシステム化、さらには超過勤務そのものの縮減を進めてきた」と語った。「政府全体で国家公務員の働き方改革を進める」と強調した。

引用:日経新聞「国家公務員に残業代「適切」支給 河野氏が1月に要請」

上記のニュースからは、国家公務員についてになりますがサービス残業解消に向けた動きがすでに始まってきていることが分かります。

国での残業管理の制度が整えば、地方公務員にも波及してくることは容易に想像できます

そのため、将来的にはサービス残業はほとんどなくなるのではと思います。

まとめ

今回は公務員のサービス残業についてご紹介しました。

確かに公務員にはサービス残業は存在します。

ですが、サービス残業にメスが入り改善傾向は見られます。

そのため、これから公務員になろうと考えているはあまり気にしなくても大丈夫かなと思います。

今回は以上です。