【公務員試験】都庁と特別区どっちを受けるか【試験・仕事・年収比較】
・都庁と特別区どっちを受験するか迷っている
・両者の違いを知りたい。
今回はそんな疑問を解消できる記事を書いていきます。
・都庁と特別区の採用試験の違い
・都庁と特別区の仕事内容の違い
・都庁と特別区の年収の違い
・都庁と特別区の将来性
都庁と特別区は例年、同日に採用試験が実施されます。
公務員試験を受ける人の中には、どちらを受験するか迷いますよね?
実際に私もどちらを受験するか迷い、ネットで調べたり実際に職員にあったりといろいろ情報収取していました。
今回は、そんな経験を基に両者の違いについてご紹介します。
皆さんの最適なキャリア選択のお手伝いをできればうれしいです。
目次
都庁と特別区の試験内容の違い
1次試験の違いについて
都庁と特別区の1次試験は、両方とも「多岐選択式」と「記述式」が出題されます。
都庁の1次試験
都庁の1次試験は、「教養択一」「専門記述」「教養論文」の3つになります。
試験科目 | 時間 | 出題数 |
---|---|---|
教養択一 | 2時間10分 | 40題 |
専門記述 | 1時間30分 | 10題中3題 |
教養論文 | 1時間20分 | 1題 |
【教養択一】
教養科目は、多岐選択方式でマークシートを塗りつぶすタイプになります。
出題数は40題ですべて回答する方式になります。
【専門記述】
都庁の筆記試験の専門科目は記述式になります。
10題の中から任意の3題を選んで解答します。
決められたテーマについて1000~1500字程度で記述する問題になります。
出題科目は以下の通りになります。
・憲法、民法、行政法、経済学、財政学、社会学、政治学、行政学、会計学、経営学
【教養論文】
都庁の教養論文は1題必須解答で、解答時間は1時間30分です。
論文の字数は1000字~1500字程度で、文字数が数えられるようになっている用紙に書きます。
形式は
(1)200字程度で課題を述べ、
(2)「都はどのような取組みをすべきか、自分の考えを述べよ」
となっています。
特別区の一次試験
特別区の1次試験は、「教養択一」「専門択一」「教養論文」になります。
試験科目 | 時間 | 出題数 |
---|---|---|
教養択一 | 2時間00分 | 48題中40題 |
専門択一 | 1時間30分 | 55題中40題 |
教養論文 | 1時間20分 | 2題中1題 |
【教養択一】
教養試験はマークシート式で、全48題のうち40題に回答します。
中でも、一般知能分野は全28題が必須回答であり、一般知識分野は全20題のうち12題を選択して回答します。
【専門択一】
専門試験はマークシート式で、全55題のうち40題を選択して回答します。
【教養論文】
特別区の教養論文は1題必須解答で、解答時間は1時間30分です。
2テーマ出題され中から、1題選んで回答します。
論文の字数は1000字~1500字程度で、文字数が数えられるようになっている用紙に書きます。
1次試験の違いまとめ
・都庁・特別区ともに、1次試験では「択一問題」と「筆記試験」
・両者の違いは専門科目
・都庁では筆記形式になりますが、特別区ではマークシートによる択一方式
2次試験
都庁も特別区も2次試験は、面接試験になります。
都庁の面接
都庁の面接は、1回になります。
1対3の個別面接になり、時間はだいたい30分前後になります。
最終合格後の採用漏れはほとんどありません。
特別区の面接
特別区は、面接が2回になります。
人事院面接の合格後、区役所ごとに行われる区面接があります。
面接の形式は1対3~5の個人面接で、時間は15~30分程度です。
特別区では、人事院の面接で合格しても区面接で落ちてしまうと入庁することはできません。
そのため、最終合格後の採用漏れも起こります。
面接の違いまとめ
○都庁
・面接回数1回
・1対3の個人面接、時間は30分前後
・最終合格後の採用漏れはほとんどない
○特別区
・面接回数2回(人事院面接→区面接)
・1対3~5の個人面接、時間は15~30分
・最終合格後の採用漏れの可能性はある
試験の倍率
採用予定人数 | 申し込み人数 | 受験人数 | 1次合格者数 | 最終合格者数 | 倍率 | |
都庁 | 265人 | 3,400人 | 1,626人 | 776人 | 352人 | 4.6 |
特別区 | 906人程度 | 14,339人 | 8,121人 | 4,791人 | 1,740人 | 4.7 |
特別区の方が若干倍率が高いですが、ほとんど差はありません。
約5人に1人受かることになります。
ただ、コロナの影響もあり景気が落ち込んできています。
そのため、公務員人気が再燃してくるので、倍率が高くなることが予想されます。
難易度は?
試験の難易度は、都庁の方が高くなります。
といっても、試験の内容が難しいわけではありません。
ではなぜ都庁の方が難易度が高くなるかというと、国家総合職を受けるエリートが都庁を併願するためです。
そのため、自然とライバルの学力がとてつもなく高くなります。
ですので、都庁の方が難易度が高いといえます。
都庁と特別区の仕事の違いは?
都庁の仕事
都庁の仕事はスケールが大きいです。
都庁では、一国の国家予算と同等の予算規模があり、日本経済の中心地とも言えます。
それゆえに、世界有数の経済都市の政策に携わることができます。
また、都庁では市区町村を超えたインフラ整備、都市計画、教育、治安維持、危機管理など幅広い仕事に携われることができます。
出先機関を除き、住民と接する機会は少なく、どちらかというと他の自治体や民間企業と仕事をすることが多くなります。
特別区の仕事
特別区の仕事は、地域に密着したものが主となります。
仕事の範囲はもちろんその区内のみになります。
各種証明書の発行や生活保護、児童福祉、保育園の整備、ごみ処理をはじめとした住民の生活に直結する仕事を行います。
そのため、住民と接する機会は多くなります。
残業はどれくらい?
都庁の残業時間
都庁の残業時間は、大体月20時間前後になります。
出先機関では、残業はほとんどありません。
一方で、本庁の場合は残業が恒常的に発生しています。
そこそこの部署では20~30時間程度、忙しい部署ですと40時間を超えることが多々あります。
特別区の残業時間
特別区の残業時間は区によっても違ってきますが、平均すると月13時間前後となります。
もちろん忙しい部署に配属されれば、それなりに残業時間は増えますが、それでも都庁よりは少ない傾向にあります。
都庁と特別区の給料の違いは?
東京都の給料
都庁の給料についてはこちらで公表されています。
初任給
Ⅰ類B(大卒程度) | Ⅱ類(短大卒程度) | Ⅲ類(高卒程度) | Ⅰ類A | キャリア |
220,440円 | 188,520円 | 174,720円 | 240,240円 | 292,920円 |
年収モデル
例月給与×12か月 | 期末手当 | 勤勉手当 | 年収 | |
---|---|---|---|---|
25歳係員 | 2,651,040円 | 574,392円 | 452,886円 | 3,678,000円 |
35歳課長代理 | 4,425,120円 | 1,016,300円 | 801,314円 | 6,243,000円 |
45歳課長 | 7,279,200円 | 1,399,918円 | 1,559,000円 | 10,238,000円 |
50歳部長 | 9,155,520円 | 1,669,192円 | 2,211,678円 | 13,036,000円 |
上記の表は、あくまでも順調に出世していった場合の数字になります。
多くの人は、課長代理で定年を迎えることになります。
ですので、現実的な数字ですと、35歳で600万、45歳で750~800万程度になります。
特別区の給料
特別区については、こちらを参考にしています。
初任給
特別区の初任給は、22万440円になります。
都庁と同じ金額になります。
年収モデル
例月給与×12か月 | 賞与 | 年収 | |
---|---|---|---|
25歳 | 2,750,000円 | 911,668円 | 3,661,668円 |
35歳 | 4,468,000円 | 1,782,000円 | 6,462,000円 |
45歳 | 6,120,000円 | 2,286,760円 | 8,406,760円 |
50歳 | 6,360,000円 | 2,430,000円 | 8,790,000円 |
上記の表は、管理職と非管理職を合わせた平均の数字になります。
そのため、管理職の場合は上記より多くもらえますし、管理職であれば上記より少なくなります。
給料の違いまとめ
都庁も特別区も、公務員の中では高水準の給料をもらうことができます。
出世状況にもよりますが、どちらも35歳で600~650万円、45歳で750~800万前後の年収になります。
まとめ
今回は、都庁と特別区の違いについて解説しました。
どちらも魅力的な職場ではありますので、両者の違いを理解して自分に合うほうを選べばいいと思います。
これから勉強を始める方は、以下の記事も合わせて読んでみてください。