公務員定年時の退職金は○○万円!【国家・地方・民間比較】

2021年1月15日

公務員に転職を考えているんだけど、中途での定年時の退職金ってどんくらい?
今年公務員になったけど、勤め上げた際の退職金の額を知りたい!
公務員の退職金は今後どうなるのかな。

今回は、そんな疑問を解消する記事を書いていきます。

私が働いていた自治体には、毎年多くの民間からの転職者がいました。
そういう人にとって、中途で入庁した際の退職金て気になりますよね。

私も現職の頃は退職金がどれくらいもらえるのか結構気にしていました。

また、年々減っている退職金ですが、今後どうなるかも気になりますよね?

ですので、今回はそんな悩みを解消すべく次の流れに沿って解説していきたいと思います。

今回の記事の内容

・地方公務員の退職金額
・国家公務員の退職金額
・中途入庁の退職金額
・民間企業との比較
・今後公務員の退職金はどうなるのか?
・退職金はあくまで目安で人によって額は違う

公務員の退職金額はどれくらい?

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地方公務員の退職金

地方公務員の退職金については、総務省が公表している「地方公務員給与実態調査」に具体的な数値が公開されています。

平成31年の同調査をベースにした、新卒から定年まで勤め上げた際の地方公務員全体の退職金は次の通りになります

退職金額平均
全職員約2,188万円
行政職職員約2,200万円
教育職職員約2,266万円
警察官約2,200万円

以上のから、地方公務員全体の退職金の平均額は、どの職種でも2,200万前後になります。

次に自治体規模ごとにご紹介していきます。

都道府県職員

退職金平均額
全職員約2,235万円
行政職職員約2,200万円
教育職職員約2,268万円

指定都市職員

退職金額平均
全職員約2,180万円
行政職職員約2,243万円
教育職職員約2,272万円

その他市役所職員

退職金額平均
全職員約2,118万円
行政職職員約2,213万円
教育職職員約2,266万円

町村役場職員

退職金額平均
全職員約2,000万円
行政職職員約2,073万円
教育職職員約2,015万円

特別区職員

退職金額平均
全職員約2,146万円
行政職職員約2,274万円
教育職職員約2,442万円

地方公務員の退職金額まとめ

全職員行政職教育職
都道府県約2,235万円約2,200万円約2,268万円
指定都市約2,180万円約2,243万円約2,272万円
その他市約2,118万円約2,213万円約2,266万円
町村約2,000万円約2,073万円約2,015万円
特別区約2,146万円約2,274万円約2,442万円

地方公務員の退職金は、新卒から定年まで勤め上げた場合は、どの自治体規模であっても2,000~2,200万円程度もらえます。

国家公務員の退職金

では、次に国家公務員の退職金についてご紹介していきます。

国家公務員の退職金については、内閣官房がが公表している「退職手当の支給状況」に具体的な数値が公開されています。

令和元年度の同調査をベースにして推計した国家公務員の退職金は以下の通りになります。

退職金額平均
全職員約2,090万円
行政職職員約2,140万円

定年まで勤め上げた際の、国家公務員の退職金は2,100万前後になります。
単純計算ですが、地方公務員より100万程度少なくなります。

中途で入庁した際の退職金は?

では、中途で入庁した際の退職金はいくらくらいになるのでしょうか?

勤続10年程度(50歳頃入庁)約550万円
勤続20年程度(40歳頃入庁)約1,150万円
勤続25年程度(35歳頃入庁)約1,500万円
勤続30年程度(30歳頃入庁)約1,900万円

以上の表より、若いうちに公務員に転職した場合は、新卒で入庁した人たちと見劣りしないくらいもらえます。
一方で、40歳以降に転職で公務員になった場合は、新卒で入庁した人の半分以下になります。

公務員の退職金は高い?低い?民間企業との比較

comparison
50歳時年収
国家公務員約2,090万円
地方公務員約2,188万円
民間企業約2,173万円

公務員の退職金は、民間企業全体と比較した場合ほとんど同額です

ただ、民間企業の上記の数字は、中小から大企業全部を入れた平均であるため、大企業に限定した場合は、公務員の方が少しもらえる額は少なくなります。

とは言え、ノルマもなくリストラの危険性も現状ほとんどない公務員で、この額をもらえるので非常にコスパが良いと思います。

公務員の退職金は今後どうなる?

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過去10年間で約500万減っている

国家公務員地方公務員
令和元年度約2,090万円約2,188万円
平成22年度約2,560万円約2,680万円
差額470万円492万円

国家公務員・地方公務員ともに過去10年間で約500万退職金が減少しています。

というのも、公務員の退職金は、給料と同様に民間企業を基準に決まっております

平成23年ごろまでは、公務員と民間では約400万ほどかい離があったため、それに準拠する形でこの10年間で退職金の額が下がってきました。

この退職金の改定は、5年おきになされ次回の改定は2021年になります。
民間企業との退職金のかい離はまだあるとされており、次の改定でさらに退職金が減る可能性が高いといえます。

今後も下がり続ける可能性はある

公務員の退職金は、長期的に見た場合にも徐々に減っていく可能性は高いです。

というのも、人口減少による「景気の衰退」と「財政の縮小」が想定されるからです。

景気が衰退すれば、民間企業の退職金も下がっていき、それに準拠する形で公務員の退職金も下がっていきます。

また、人口減少により税収が減ることも容易に想定できます。
税収が減ると、公務員の給料にも関係してきますので、当然退職金も減る可能性は高いです。

もちろん、人口が回復する可能性もありますが、このままいけば上記のストーリーになることは押さえておく必要はあります。

ただ、これは民間企業でも同じことです。

退職金はあくまで目安

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ここまで、公務員の退職金について解説してきましたが、これはあくまでも目安になります。

というのも、公務員の退職金は退職時の給料を基準に算出されるからです。

退職金の算出式

退職手当=基本額(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続期間別支給率×調整率)+調整額

そのため、退職時に役職についていれば基準額が高くなり、逆にまったり働いていた人は基準額は低くなります。

同じ勤続年数でも差があるため、今回ご紹介した退職金額は普通に働いていればこれくらいになるよ程度にの参考にしてもらえればと思います。

まとめ

今回は、公務員の退職金についてご紹介しました。

現状、定年まで勤めれば2200万前後もらえます。

ただ、公務員の退職金は減少傾向にあり、今後はどうなるかはわかりません。

公務員になりたい!と思った方へ

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